乳がん術後の新しい形。欧米で広がる「#GoingFlat」とは?再建やパッドに縛られない自由

乳がんの手術後、「失った胸をどう再生するか」という議論の陰で、今、欧米を中心に一つの大きなムーブメントが広がっています。
それが、「#GoingFlat(再建しない選択)」や「#FlatAndFabulous(平らな胸も素晴らしい)」という考え方です。
これは、無理に再建手術をしたり、常にパッドで形を整えたりすることだけが正解ではなく、「再建しない平らな胸」を自分の一部として誇り、ポジティブに生きていこうとする女性たちの連帯です。
ムーブメントの始まりと、世界を変えた女性たち
この動きが世界的に注目されるようになったのは、2010年代半ばのことです。
欧米の医療現場では、乳がんの手術とセットで「いかに元の形に再建するか、あるいはパッドで補整するか」という選択肢が、半ば当然のステップとして提示される風潮がありました。
しかし、それに疑問を投げかけ、「再建しない自由」を求める女性たちが現れました。
「Not Putting on a Shirt」の活動
アメリカの非営利団体「Not Putting on a Shirt」などは、医師が再建手術を標準的なゴールとして話を進めることに対し、患者側が「平らなままでいたい(Going Flat)」という意思を伝え、それが尊重されるべき権利であることを訴える活動を続けています。

著名人の勇気ある選択
アメリカの人気料理研究家であるケイティ・リー・ビーゲル(Katie Lee Biegel)は、乳がんの治療において再建手術を行わない「Going Flat(再建しない選択)」を公表し、大きな反響を呼びました。
彼女のように、社会的な影響力を持つ女性が「自分にとっての最善は、再建しないことだった」と堂々と発信したことで、多くの女性に「ありのままの自分の体」を肯定する勇気を与えました。

今ではInstagramなどのSNSで #GoingFlat や #FlatAndFabulous というハッシュタグを検索すると、世界中の女性たちが、再建しない胸で堂々とファッションや人生を楽しんでいる姿を見ることができます。
「隠す」ためではなく「自分らしくいる」ために

これまでのアピアランスケアは、「失った部分をいかに隠し、元通りに見せるか」という点に重きが置かれがちでした。しかし、このムーブメントは私たちに大切なことを教えてくれます。
「手術を重ねて身体を傷つけるよりも、今のこの平らな胸が、私が病を乗り越えた証であり、私自身の形なのだ」
もちろん、お洋服を綺麗に着こなすためにパッドが必要な場面もあります。
しかし、「隠さなければならない」という義務感から解放され、「今日はパッドを置いて出かけよう」「今日はありのままでいよう」と自分で選べることこそが、真の自由ではないでしょうか。
左右のバランスを整えることは「健康」のためでもある

一方で、片側だけを摘出した場合、左右の重量バランスが崩れることで肩こりや姿勢の歪みが生じるという現実的な課題もあります。
私たちがオーダーメイドのパッドやエピテーゼをお作りしているのは、単に「見た目を元通りにする」ためだけではありません。
- 身体の軸を整え、健やかに歩けるようにする
- 重さを分散させ、身体への負担を減らす
たとえ「平らな自分」を愛していても、身体が辛いときは道具の力を借りていい。
私たちは、あなたの身体の健康を守る存在でありたいと考えています。
自分自身が「心地よい」と感じる形が正解

当店の基本理念は「Your Peace, Oure Promise」です。
再建手術を選ぶ人、パッドで整える人、そして #GoingFlat を選ぶ人。
どの選択も尊く、正解です。
大切なのは、社会や他人の目ではなく、あなた自身が鏡を見たときに「これでいい」と思えるかどうか。
店名「アイビー(蔦)」に込めたように、私たちは、どんな選択をした女性とも、絆やつながりを大切にしていきたいと考えています。
形を整える道具が必要なときも、ただ誰かに話を聞いてほしいときも。いつでもあなたの味方としてありたいと願っています。
[あわせて読みたい]



